11/23(水)「勤労感謝の日」 昨日の小さな出来事
- 公開日
- 2016/11/23
- 更新日
- 2016/11/23
「職員室の窓」
こんばんは。
「勤労感謝の日」の今日、生徒たちはどんな一日を過ごしたのでしょうか。そろそろ期末テストも近いことだし、お勉強に明け暮れた一日となったのでしょうかね。
さて、本日は、昨日の「津波注意報の一日」のことを書かせていただきます。ちょっと長い文になってしまいますので、読んでいて飽きたら途中で止めて下さいね。
早朝のグラグラッ!その揺れに間髪入れずのサイレンと津波注意報発令であり、急ぎ身支度をし学校へと車を走らせたのです。私が到着した時には既に4人の先生方がいて電話の対応等をしておりました。
ここで判断しなければならなかったことは大きく2つあったのです。その一つは「今日の学校をどうするか」ということ、そしてもう一つは、「給食の食材を止めるかどうか」ということ。ものすごい人数の食材となりますのでね。大小の長澤校長先生と電話で相談し、8時に給食の判断をすることとしていたのですが、7:45に市教育委員会から「市内一斉休校」の連絡が入り、生徒への連絡も含めてその後の指示を出した次第です。
それから、注意報が解除されるまでの間、小さな出来事がいろいろあったのです。
この時間、校舎の周りには多くの車が避難の為駐車しておりましたので、一台一台「注意報が解除されるまで図書室にどうぞ」と声がけをし、ストーブで暖めた図書室で休んでもらっておりました。
考えてみれば、早朝の注意報発令でありましたので、皆さん朝ごはんを食べていないはず…と思い、若い先生にお願いし、職員室の先生方の分も含めて、おにぎりやパンを買ってきてもらい、図書室の皆さんにもお分けしたのです。かなりお年を召されたお婆ちゃんは「なんとなんと、校長先生、ごっつぉ〜になっかんね〜。」(わかりやすく言えば、ご馳走になりますね。という意味)とそんなことを言ってくださり、図書室の皆さんには軽い朝食もどきをとってもらいました。丁度その時、某テレビ局の方も取材のため来校しており、「朝ごはん食べたの?」と聞くと、「いいえ、すぐ飛び出して来たので…。」ということでありましたので、サンドイッチを一個をお渡し食べてもらい、その後、外で車の中で待っている人たちにパンを配りにでかけました。
そのテレビ局の方が帰られる際に、こんなことをおっしゃったのです。
「あの…、校長先生は、珍しく、いい方ですね。」と。
私、思わず聞き返したのです。「えっ?珍しく?」と。
その後、「あっ、いえ、なんでもないです。。」と言葉を濁し帰られましたが、理由はどうあれ「いい人」と言われ嬉しくないはずないのです。
ちょっと紹介しておきますが、この日、校内には「いい人」が一杯いたのであります。
・慣れないきずなメールを四苦八苦しながら打ってくれた先生。
・図書室を暖め、避難の皆さんの為にお茶を用意してくれた若い先生。
・外に避難している人が校舎内に入りやすいようにと、
「図書室にどうぞ」という掲示をしてくれたり、
スリッパを用意してくれた先生。
・お年寄りが階段を上ぼりやすいように傍に寄り添い歩いてくれた先生。
・早朝出勤組の教員が何も食べていないだろうと、
食べ物を持って出勤してきてくれた先生。
・そして、みんな分のパンを買いに出てくれた二人の若者先生。
津波注意報が発令中でありピリピリとした時間が流れてはおりましたが、そんな中でも、とっても心があったかくなるような小さな出来事が一杯あり、そんな心を砕いてくれる先生方を、心底、ありがたいって思ったのでありました。
私、3.11のあの寒い寒い夜と次の日の朝、高田一中の体育館におりました。その早朝に届けられた住田町婦人部からの「真っ白な塩むすび」のことがずっと忘れられないのです。ありがたくてありがたくてみんなで少しずつ分けて食べましたけどね。
そんな「体験」が、今回のいろんな気づきに繋がっているように思うのです。それは、私だけではなく、ここにいる先生方や生徒たち、そして、保護者の皆さんも同じだと思いますけどね。
はい、これが昨日の出来事なのであります。
結局、何を言いたいかと言えば、私は「いい人」と言われました!という「自慢」であります。はい。
おしまい。
(つぶやき)
◆珍しいが付こうが何だろうが「いい人」って言われるのはとっても嬉しいものです。こんないい歳をしたジイ様になってもそう思うのですから、生徒たちならなおのこと「いい子だね〜」とか「頑張ってるね〜」とか「ありがとう」って言われると、とっても嬉しくなることでしょうね。逆に、この逆のことを言われ続ければ、きっととっても悲しい気持ちになり意欲も湧いてこなくなることでしょう。こういう「言葉かけ」って、とっても大事なものかもしれませんね。人の心に希望を与えもし意欲を削ぐものにもなりますものね。